kenka2

「夫婦喧嘩のはじまり」

新婚当時はいざ知らず、夫婦は時間が経つにつれ、相手の良いところだけでなく悪いところも見えてきます。そして夫婦の口喧嘩がはじまります。例えば「なぜ僕の話を聞かないんだ」「あなたの、その話し方が嫌なのよ」「なんでわからないんだ」「わからないわよ」「優しく言ってるだろう」「優しくなんかない、傷つけてるじゃない」「どこを傷つけた」「私の気持ちよ、もう嫌!」「話をしても無駄だ!」。あがり症を克服した旦那さんとは思えない攻勢ぶりです。

「説得とアドバイスの違い」

自分の奥様に、あるいは恋人に、あるいは身近な人に「なぜ僕の話を聞かないんだ」と言ったことがありませんか?
この言葉から想像できるのは「彼のした話が何であれ、自分の言った通りにしろ」と言うニュアンスが感じられます。つまり、自分の考えに同調させようとしています。相手を自分の思い通りにしようとすることと、相手があなたの言葉で自らを修正するのでは大きな違いがあります。
説得とアドバイスはどちらも相手に働きかけますが、アドバイスは相手を思うところから発しているのです。

「美味くない夫婦喧嘩ですが・・・」

ところで、「結婚生活は長い会話である」と言ったのは19世紀のドイツの哲学者ニーチェです。夫婦によって長短の違いはあってもこれほど長い会話は確かにありません。
その長い会話で自然と気が付き感謝されるようなアドバイスが出来れば何の問題もありませんが、「話し方教室」で勉強したことがあるなしにかかわらず、我が国では夫婦の会話は「短い」のが相場です。「飯・風呂・寝る」の三語で事足りると揶揄された夫婦の会話。
もし今も「飯・風呂・寝る」の三語でコミュニケーションが成立している夫婦がいるとすれば、それはそれですばらしいのか、ニーチェに聞いてみたい・