仲人は縁結び
仲人のいる披露宴を経験したのはいつだったろう!?
調べなければ思い出さないほど、仲人のいる結婚式をしてない。
そこで、仲人を通して、結婚の意味を考えてみた。
まず、こう問いかけてみたいと思います。
仲人(媒酌人)をご存じですか?
たとえば、全員顔見知りの小さなコミュニティならお互いを紹介する必要はありません。
ところが、その中だけで相手を探すことは次第に無理になります。
それならば、別のコミュニティから相手を探そうということになります。
探す側が婿側だとすれば、探しに行く世話役が生まれ、
反対に探される嫁側にも、同じように世話役がいます。
この世話役が、仲人のはじまりだと考えればわかりやすいですね。
結婚までに仲人の役割が変わり、呼び名も変わる!?
婿方、嫁方に世話役が生まれます。この世話役が最初の仲人で下仲人なんて言います。
そして両者の間で結婚の折衝がはじまり、婚姻が結ばれます。
下仲人は二人のあいだの橋渡し役です。
実際には口をきいただけの人もいれば、それをきっかけに結婚をまとめ上げた人もいます。
また、正式な結納を交わすために、両家を行き来する仲人もいるのです。
そして、結婚式で媒酌の大役をする人もいるわけです。
ですから、仲人はいろいろな呼び方があるのです。
下仲人、座敷仲人、杯仲人、すわり仲人、名誉媒酌人等と言う呼び名が生まれたのです。
出会い系や婚活パーティーは現代の下仲人!?
仲人のヒストリーはとても興味深く、結婚の一面を感じさせてくれます。
「好いて好かれて一緒になる」と言う結婚、つまり、恋愛結婚だけが結婚ではなく
結婚には年頃の男女を結ぶ先人の知恵で維持されてきた面もあるのです。
ところが、都市化の波の中で世話役は消え、恋愛結婚が叫ばれ、仲人の意義や役割も
消えていったのです。
そして、ネット社会の中で、出会い系や婚活パーティーが生まれ、かつての仲人さんの
ように出会いのきっかけを提供しているのは確かなことです。
仲人と言えば親も同然と言われた頃
「仲人と言えば親も同然」、そう言われた頃、
仲人も華燭の典を挙げた当のお二人も、
お互いに気を遣う期間が3年。
これが「仲人は3年」の言葉の示す意味。
一方、それでは何かと大変ですから、
任務は華燭の典を挙げた当夜に終わるという考え方を示すのが
「仲人は行灯きり」でしょうか。
司会者は現代の仲人!?
ご披露宴に媒酌人を立てなくなって、20~30年ぐらい経つでしょうか。
この10年間の時差は微妙ですが、
今ではそれが当たり前で、媒酌人を立てるケースはまれです。
もちろん地域差があるでしょうが、流れはどこも同じかと思います。
媒酌人がいなくなり、かつて冒頭で媒酌人がなさっていた「お二人の紹介」
の多くは司会者がします。
事前の打ち合わせでお二人から取材してまとめますが、「愛情」がないと出来ません、
また自然に愛情が湧いてきます。この瞬間、司会者はお二人の側に立つのですが、
会場や他の部門の業者さんからも各種の要望をされます(笑)。
「司会者は現代の仲人」と言う気持ちが伝わりますでしょうか。
まとめ
かつて、仲人さんが披露宴で挨拶をし、お二人の紹介をする頃、
仲人さんから学ぶことがたくさんありました。
時に、挨拶が長すぎることもあったのですが、新郎新婦の人生の先輩として語る言葉に
夫婦二人で共に手を携えて歩む尊ささえ教えてくれたのです。
言ってみれば、結婚は学びの場でもあったのです。
それに比べると今は世の中全体に余裕がないのかもしれません。
平たく言えば人の言うことを聴いている暇がないのです。
自分のことは自分でやるしかないのです。
出会いも自ら求めるしかないのです。